◆LIND◆ >>>WORLD
背景や文化レベルは漠然と中世~近世をベースにしつつ、政治体制や軍隊制度は近代風味。銃器はまだ未発達(魔術や超常的エネルギーの存在に頼り部分的に科学の進歩が遅れているイメージ)。
フレーザー一族が国民の大多数を占める軍事大国。古くより侵略と軍備拡張を繰り返し領土と勢力を広げてきたが、50年前に皇国と始まった戦争により弱体化が進む。
階級は平民(農民、商人、職人など)、貴族、王族(女帝)にわかれる。官僚には貴族や資産家が多く含まれ、軍上層部も賄賂や職務怠慢が疑われる者が多く存在する。政府の腐敗は著しく、国民の不信感は強い。
国家の主権は女帝。議会や参謀部が王族の中から選出する。女帝は原則子を持ってはならないため歴代女帝に直接の血縁関係はなく、その当時の権力者が息のかかった者を女帝に即位させ政府の実権を握っている構図が常。閉鎖的な風習のため王族や高級官僚たち、参謀部の実像は不鮮明だが、政のほとんどは彼らと腐敗した議会が取り仕切っている。
現国家元首は女帝ネローネ。参謀長スレイマンに政治の多くを頼り、皇国の征服を掲げ戦争を続ける。
〈国土・気候・産業〉
領土の多くが平地(草原や荒原や砂原)で、乾燥した気候の場所が多い。鉄鉱資源が豊富な山地を多く所持しており、鉱業が盛ん。
西部の農村地では穀物や芋類の栽培が主。東部の荒地や亜熱帯地域では狩猟や採取などによる食料調達が主で、動物の肉や魚、昆虫などが主食。地域によっては、熱さに強い野菜の栽培も進められている。
一言で言うなら鉄鉱業・工業大国で、古くから高度な技術者や開発者を多く抱える発明の国である。
ベルギナ帝国の帝都であり、議会、軍部、
金属質な高層建造物と数段の階層からなる閉鎖的な街並みが特徴的
高層は議会、軍本部(参謀本部)、
ピトン、オリンダ、ベズレー、テイデ、
ベルギナ帝国の最西端に位置する荒野に囲まれた湾岸商業都市。
人口過多のため窮屈に住居が建ち並び、
戦略的にも重要な土地であるため、地下には〈時空間隔離〉
SCHEMER第一部ではヴァルカモニカ率いる皇国軍に占拠され
ハルゲニー山脈の麓に位置する帝国最北端の鉱業都市。
平坦で質素、小さな山麓の町。住民の多くは鉱業関係者だが、職人や商人も見受けられる。
SCHEMER第二部の始め、アルトネアへの進入を考えるライグとティリンスが滞在していた町。ここでイグアス、ウラジーミルと出会い、共に雪山越えに臨むことになる。
民主的な政治体制を築き改革を進める多民族国家。成立は100年ほど前、ベルギナ帝国の反乱分子が独自に国を起こしたことに遡るが、勢力を強め始めたのは今から約50年前。若りし皇帝アクルが民主的改革を推し進め民の信頼を得たことから急速な成長を遂げる。
国家の主権は国民にあると謳っているが、王族の権威も未だ健在。しかし諸々の事情で近年王族一家に対する不満が強くなり、代わって実質的に政治を取り仕切るのは枢機卿ヴァルカモニカ。枢機卿の信望は絶大で民や官僚からの信頼も厚いが、まだ民主主義国家としては不完全という危うさもあり、膨張を続ける皇国を導ける次なる指導者の不足が懸念される。
現国家元首は老帝アクル。強硬な侵略姿勢を崩さない帝国を降伏させるべく、枢機卿が自らが采配を振る。
〈国土・気候・産業〉
温暖な気候と湿潤な大地に恵まれ、豊かな実りを享受している。国土は主に草原と丘陵と森林で、牧歌的で和やかな景色が続く。
水の恩恵を受ける皇国では、様々な果樹、野菜が栽培され、沿岸部では漁業も盛ん。農業・森林業大国と謳われ、国を上げて生産活動に取り組んでいる。
多民族国家アクロポリス皇国の皇都。
メトラ教を国教とするだけあって、
SCHEMER中ではほとんど登場することはないが、
国土のほとんどが凍土と雪原に覆われた貧しい北国。起こりは漠然としているが、帝国から逃れてきた人々と蒼い髪を持つ先住民(アルトネア人)が中心となり集落を築いたのが始まりと思われる。
土地が貧しく食物が育たない極寒の地ゆえに毎年深刻な飢餓に悩まされている。政府による過酷な強制労働や徴兵制に反発し国外逃亡を図る者も少なくない。魔術や科学があまり浸透しておらず、羽狗(サバーカ)と呼ばれる大型獣を調教し交通や労働に使役している。
国家主権は皇帝。現在はアルトネリス家系が帝位を継いでいるが、様々な陰謀や問題から王家の構造は複雑になっており、血腥い相続争いや深刻な対立が続く。
現国家元首は皇帝グロザー=アルトネリス。悪魔的カリスマ性で政府を従え連合軍を迎え撃つべく画策する。
〈国土・気候・産業〉
領土のほとんどが寒冷・極寒地帯のため、短い夏の間に穀物を収穫したり家畜を育てたりして、長い冬を乗り切るスタイルが主流。
帝国、皇国に比べると生産的な活動は控えめだが、一芸に秀でた芸術家が多く、彼らの繊妙な美術品や建築は国内外で評価されている。
アルトネアの王都。皇帝グロザーが座す城郭都市で、
厳しい吹雪にも耐えうる頑丈な石造りの建造物が立ち並び、
城壁や一部の水路には“魔境”の水が導水されており、
SCHEMER第二部では皇帝グロザーの拠点としてたびたび登場
大陸の中心部に位置し、三国に跨る巨大な砂漠。
巨大蜘蛛や猛毒生物が生息し、ニグミ族の人狩(後述)などが行われる危険地帯。
反面各国の警備の目が薄く、密入国者や逃亡者が他国へ渡る際のルートに選ぶことも多い。
帝国とアルトネアの自然国境となっている険峻な山脈。
数少ない時界石の産地でもあり、多くの採掘場や坑道が点在する。山麓の町ハルグは時界石の採掘量で有名。
整備された山道は少なく人の行き交いはほぼないが、アルトネアから不法入国してくる者もおり、近くの町村では、そういった不法入国者と地元民の間で諍いも生じているようだ。
皇国とアルトネアの間に横たわる山脈。
ハルゲニー山脈に比べると標高が低く、比較的安全な山道も存在する。
とはいえ、真冬の悪天候と吹雪はすさまじく、冬期はほとんどの峠道が封鎖される。
SCHEMER二部では、開戦を控えた皇国とアルトネアが互いに監視の目を光らせており、連合軍とアルトネア軍が山地を挟んで平野部に陣を張っていた。
コルチャーク山脈の峠の一つ。最も安定した山道が通っており、冬期でもリューリク峠経由であれば山越えが可能。
連合軍とアルトネアの戦いにおいて、戦局をゆるがす重要なポイントとなる。
アルトネアの帝都ジスタを囲う霊山のどこかにあるとされる神秘の泉。
魔鏡の水は、零度以上になると氷結し、零度を下回る場所では融解する。この水は帝都ジスタにも導水されており、有事の際は都の防衛にも利用される。
ベルギナ帝国を築き、時魔導の力を得た一族。金髪金眼、高身長が多いことが特徴。
”蛇神”の教えを享受した者達の末裔だと伝えられており、蛇を信仰する慣習がある。
長年に渡りリンド大陸で大きな勢力を張ってきたため、他民族を下に見る風潮が見受けられ、支配者階級としての矜持が強い。
利己的かつ個人主義な一族柄で、血統と智力を重んじる。反面、野生的な習性を嫌う傾向があり、ニグミ族やアルトネア人などを迫害してきた過去を持つ。
ごく稀に”蛇眼”が生まれる。時魔導の力もフレーザー一族にしか発現しない。
アクロポリス皇国に暮らす人々の呼称。皇国は多民族国家のため厳密には同一の一族とは言えないが、多くの者が”皇国の一員”として水の民を名乗る。
排他的な嫌いがあるフレーザー一族と違って、多くの文化や民族に寛容。(水の民自身も混血やルーツ不明な者が多いため)
容姿も多様性に富み、詳細な分類は困難と言える。ちなみに、老帝アクルや皇女アネリなどの皇族は金髪碧眼で、色彩魔導師を多く排出する血族は赤毛と金眼が大半を占める(トロギルが該当)。
リンド大陸の北方、アルトネアに古くから存在する一族。
アルトネア人と呼ばれる存在は大きく分けて二種類あり、紺碧の毛髪の者(ガート系)と、黒髪黒目の一重瞼の者(シュカ系)がいる。ガート系は大型の人畜・羽狗(サバーカ)を従えた好戦的な略奪者の集まりが発端で、シュカ系の元祖はゼルカロの能力者だったと言われているが、詳細な系譜は不明。
なお、現在のアルトネリス王朝はガート系とシュカ系の混血。
褐色の肌と漆黒の髪を持つ部族。他の一族には見られない、赤い瞳の者が存在する。
高い身体能力と優れた五感を持ち、最強の戦闘民族として恐れられる。文明を忌諱し、戦いに身を投じ、野生的な生活を送ることこそが民族の誇りだと考えている。
その性質が災いし、たびたびフレーザー一族による迫害を受けてきた。元々は帝国各地に集落を作っていたが、ファンブリーナ奪還任務の12年前には粛清と称した大規模な虐殺が行われ、現在は集落も一族の血を引く者も急減している。
生き残りの多くは帝国国外か南方の僻地に逃げ延びたが、大都市の中で唯一ファンブリーナはニグミ族の保護に回り、現在も市街で少数のニグミ族が生活している。ティリンスと彼の母もそれに該当する。
フレーザー一族だけが有する”時間”を操作する力。
物体に早送りの効果を付与したり、人体を急激に老化もしくは若返らせたり、ある空間に過去の映像を投影したりと、できることの幅は大きい。
時間という世界の根幹に関わる概念に干渉する力ゆえに、他の魔術師からは「神への冒涜」「禁忌」として危険視されることも。実際、時魔導が原因で異常気象や天災などが生じることもあり、帝国内でも時魔導の使用には規範が制定されている。
古くから一族に伝わる秘術だが、現在も解明されていない部分が多く存在し、時魔導に関する謎はまだまだ尽きない。
時魔導師たちが術を使う際に干渉する異次元の領域。
術者はこの領域を介して現実世界の事象に一定の作用を及ぼす力を得る。
時魔導師同士が連絡を取り合う《時界通》では、双方がこの空間に意識を送り込むことにより、遠く離れた場所の相手と意思疎通が可能となる。
”色”によって様々な効力を発揮する魔術。皇国に使い手が存在する。
術者がイメージした色彩によって効果が変化し、組み合わせることによって複雑で高度な技を発動することもできるため、術者の力量次第で威力は大きく変動する。
時魔導に比べると扱いに難がなく、能力の開花も環境によるところが大きいようだ。現在皇国では、使い手が増えつつあるという調査も出ており、さらなる研究が進められている。
トロギルが所持する魔法の地図。生体の反応を読み取り、それを地図上に色として表示し、相手の居場所を明らかにすることができる優れものである。
魔地図の発明によってあらかじめ敵兵の存在を察知することができるようになったため、皇国軍の戦略は大きく前進した。枢機卿ヴァルカモニカがトロギルを側近の1人に取り立てたのは、これによる功績が大きい。
ただし、万能にも思える魔地図にも難点がある。この地図で表示できる範囲は、術者であるトロギルが術式を展開した範囲内であり、術者であるトロギルが魔力を絶っている間は作動しない。また、時魔導などによって反応を隠蔽されることもある。
SCHEMER本編においても、魔地図はキーアイテムの一つであり、皇国の切り札といえるだろう。
アルトネアの血を色濃く継ぐ者だけに発現する空間を転移する力。通説では「鏡を渡り歩く力」と言われる。(実際にティリンスはヨアンとアンナが鏡に消えていく姿を目の当たりにした)
ただし、謎多き秘術のため詳細は明らかになっていない。他の媒体を経由できる可能性もあるようだ。